糸の無い糸電話で意図も無く

自転車をいじり続けて苦労し続ける者の記録的なサムシング。

【改題】verge N8に雄々しきブルホーンを生やすのだ!

さて、今回はハンドルバーを変えたお話。

 

verge N8標準装備のストレートバーから、完全な見た目の憧れと「縦握りは疲れにくいらしいぞ」ってことでブルホーンハンドルに変えてみようかと。

お金をかけないならフラットバー+バーエンドバーという手もあるが、個人的にエンドバーはダサかった…(あくまで個人の感想です。)

先ずは座学

自転車カスタムの際はまず調べる。これが基本姿勢で染み付いてしまっている。

とにかく前例がないか先ず調べてみる。

ハンドルにも色々な太さがあり更にクランプ部分も様々な径があるのはDOPPEL GANGER510の時に学んでいる。

verge N8はその時に使ったこのシフター*1

 が付いてるから、握り部分は22.2mmだな。じゃあクランプも25.4mmだな…

「ご名答!」でした。間違いが無いことを確認。

そのサイズのブルホーンハンドルは…

前も買ってるから知ってる。 売ってるねえ。

今回肩下がりにしたのは、510の時に逆手じゃなくて順手の姿を見て「何か凄く箱っぽい…」と思ったからで、見た目以外に使い勝手とか何も考えてなかった。

 

ブルホーンにカスタムした例を見ていくと(…と言っても、主にクロスバイクの例しか見当たらないのだけれど。だいたいGIANTのESCAPEといったところ。やっぱりオーナー母数が大きいのは正義)ブレーキレバーやシフターが色々あるのに気づく。

バーエンドに差し込むやつや何だかエアリーな形のやつとか。

もうちょっと調べると、どうやら22.2mmのハンドルバーにはエンド差し込みのブレーキレバーもシフター(バーコン)も使えないようだ。ブレーキもシフターも差し込み径が19mm〜となっている。*2

ハンドル内側を削るなどの方法もあるようだが、ここは大人しく他の候補を探す。

ブレーキ編

さらに、どうやらVブレーキでは使えないレバーが多いっぽいぞ…

ここに来るまでの過程で「補助ブレーキの逆付け」という方法を見つけたので、その方向で調べていたが「引けないことはないが…」という注釈付きになるっぽい。*3

Ruler(ルーラー) エクステンションブレーキレバー ブラック RL-721

Ruler(ルーラー) エクステンションブレーキレバー ブラック RL-721

 

ブレーキ自体をショートVブレーキに変えれば比率がキャリパーと同じになって問題無いみたいだけど、実はこの時直近でブレーキを変えたばっかりだったのでその方法は避けたい。

 

むむむ…Vブレーキが引けてブルホーンに付けられるレバーは無いのか

…検索に次ぐ検索…

あった。TEKTROのRL740。

しかもかっこいい!*4

www.amazon.co.jp

 

御誂え向きに22.2mm径に対応するシムまでついてる。完璧じゃないか!

ブレーキレバーはこれに決定。

 

■2017/5月現在(比較的簡単に)購入できるブルホーンに取り付けられるVブレーキ対応レバー

  • TEKTRO RL520

レバー形状もエルゴノミックで引きやすい。何より安い!

ブラケット部分はプラ素材。干渉などを解消するのに加工はしやすい。*5

デザインとしても申し分無いので選択肢としては一番に上がるのではないだろうか。

TEKTRO(テクトロ) RL520 SILVER BR-TK-162

TEKTRO(テクトロ) RL520 SILVER BR-TK-162

 
  • DIA-COMPE 287V

こちらはテクトロのものに比べてブラケット部分は小さめで金属製。

インナーを通す部分のカバー兼固定部分が別パーツになっていてスマートさは少しなくなるので、デザインで選びたい人には難があるかも。

取り付け径が22.2mm〜なのも特徴。

 

  • DIA-COMPE GRAN COMPE evo-V

上のレバーのグレードアップ版と思えば。レバーもエルゴ形状になっている。

が、なんといっても高い…。使ってみたいところだけど高い…。

GRAN COMPE(グラン コンペ EVO-V ペアセット ブラック

GRAN COMPE(グラン コンペ EVO-V ペアセット ブラック

 
  • CANE CREEK drop-v breake levers

 お高いレバーその2。

ぶっちゃけTEKTROのと変わらないので、どうしてもこのデザイン!という方に。

※どれも取り付け可能ハンドル径に注意!

とはいえ、22.2mmにも問題なく付いたという話も見るので、運用は自己責任の元で。

  

シフター編

こちらは打って変わって、ブレーキレバーを探している最中に大体の答えは決まっていた

  • まずラピッドファイヤーはない(エビ・カニは嫌いじゃないけど今回は正攻法で行きたいし、ステムクランプ付近にも付けたくない)
  • 先述の握り径の内寸の通り、バーコンは付けられない
  • サムシフターというものがあるらしい
ENE CICLO(エネシクロ) サム シフター BLK 右 DES00202

ENE CICLO(エネシクロ) サム シフター BLK 右 DES00202

 

ダブルレバーにハンドルバー用のクランプ台座を付けたもの。

これならブレーキレバー付近(≒バーエンド)にも付けることが出来る!

インデックス式(カチカチする)じゃないフリクション式(カチカチしない)は初めて使うけど何とかなるんじゃない?的な勢いで一式揃えることに。

実施編

ハンドルで苦労するでござるの巻

実はこれ凄く大事な事なのだけれど、vergeシリーズの下位モデル標準装備のQR式クランプのハンドルポストだとブルホーンの直付けは出来ないというのを調べてる内に知った。

実際に、ハンドルが届いてから自分でも試してみたけど、体重をかけるといとも簡単にハンドルが回ってしまう。

理由は至極簡単で

  • ハンドルクランプを中心とした時に、大きく離れた先にハンドル先端の握り先があるためテコの原理で大きな下方向への力がかかる。
  • QR一点で締めるクランプでは、ガッチリ締められてるようでも、その力に負けてしまう。
  • (フラットバーだとクランプ部分と握り部分の位置がイコールなので問題ない。仮に回す力が加わっても、バーの円周分の小さな径でかかる力なのでクランプの方が勝る。*6これは試してはいないが、ライズの大きいライズバーなんかも同様に注意が必要かもしれない。)
  • (ドロップハンドルはどうなんだろう…?こちらも試していないので実際のところは分からないが、力が加わるとしたら下ハン時に上方向に向かって回ることになるか?誰かに教えてもらいたい。)

ので、実は一緒にこんなものを購入していた

 これを介してハンドルバーを付け、ハンドルバーとハンドルポストがぶつかる位置まで動かせばそれ以上動かないというカスタム例を幾つか見てきたからだ。

え?そもそも何でTバーのハンドルポストにしないのかって?

 いいお値段するから、そこまで手が回らなかったんだよ!言わせんな恥ずかしい

 

準備は万端だとセットし始めると、あれ、おかしい。

ステムがハンドルバーを噛むところがスカスカである…。

そう、勘のいい人は気づいているだろうが、これハンドルバーの中央に当たる25.4mm部分が長くないと付けられないのだ。*7

コレだけじゃなく、2ピース型のは全部そう。

※SATORIのはハンドル側が若干内側に入る形だけど、それでも長さは必要

SATORI ABERHALLO ハンドルポジションチェンジャー ブラック

SATORI ABERHALLO ハンドルポジションチェンジャー ブラック

 

tern純正オプションのSyntace VRO Stemなんかもそう

ゴム板やアルミテープなんかを直接バーに巻いて径を嵩増ししてみたけど、やっぱり力に負けてちゃんと固定出来なかったので、別のものを買う事に。*8

 

リデア ESF1 Extendable Stem ブラック 147-01106

リデア ESF1 Extendable Stem ブラック 147-01106

 

こちらはハンドルバーのクランプ部分が通常のステムと同じ、中心部を挟み込む四点締めタイプ。

いや、実は最初の購入時にハナからこっちを買っておけば万事解決だったんだよ。

…迷っちゃったんだよ。いいお値段するし…。

結果、安物買いの銭失いしてるんですけどね。

ハンドルの取り付けはこれで解決…っと。

f:id:sugie9:20170513144840j:plain

こんな感じ。

横のボルトで固定位置を動かして複数のポジションを作れるのだけれど、デフォルトのポジションだと下ろしたQRのレバーとギリギリぶつからない感じ。

f:id:sugie9:20170513144842j:plain

こんな感じでポストに干渉させて、これ以上動かないようにする。

さっきも言ったように、QRだと荷重に負けてどうしても動いてしまうので、こうやってこれ以上動かないようにしてやる必要がある。

ステムの形状によっては直接ハンドルバー自体ががつっかえになる場合もある。

f:id:sugie9:20170513144839j:plain

 注意すべき点はこれによってハンドルバーの高さがポストの長さより3〜4cmは下がってしまうということ。

ternのハンドルポストラインナップは290mm〜390mmがあるので、人によっては必要に応じてポストの長さを変えてやることになるかもしれません。

ちなみに

QR 390 / 350 mm

Tバー 350 / 290 mm

のラインナップとなっていて、最長と最短は共にどちらかのタイプにしかないので注意が必要。

 

ブレーキ&シフターで苦労するでござるの巻

次はブレーキレバーとシフトレバーの取り付け

ブレーキレバーを先端に付けてアウターケーブルをハンドル裏に這わせて仮止めしていく。

さて、シフター…

あれ、おかしいな。ブレーキレバーより内側に付けると形状のせいでお互いに干渉しちゃうぞ。

それを避けるとシフトレバーが明後日の方向を向くことになるし、何よりアウターが邪魔でハンドルが掴みづらくなる。

かといって、ブレーキレバーより前に付けようにも、これまた干渉するし…。

何より片側だけブレーキレバー位置変わるのも嫌だし、両方下げたらもう片方に謎の空間出来ちゃうのでブレーキより先(ハンドル先端)に付けることは出来ないな。*9

 

結局のところ、ステム付近にフラットバーのように付けることで解決としたが、握り付近にレバーが無いと細かな変速をしなくなるのが問題点。

面倒くさくも大変でもないのだけれど、信号でストップする/発進する時なんかはやっぱり手元に無いと大雑把に乗ってしまってギアそのものの利便性が少し死んじゃう感じ。

→こちらは後にフロントW化の際にバー先端に持って行って解消している。

 

さて、先ほどハンドルに仮止めしていたアウターをシフター位置も決まったので本留めしていく。バーにキレイに這わせていい感じに。

ステム付近から先はハンドルポストの折りたたみで必要な余裕分を大きく残すことになるので、ストレートバー状態に元々付いていたアウターを参考にしながらフレームに沿わせていく。

自分はこの時「バー外す→インナー抜く→アウターはフレームに残したまま」というような状態にしていたので、残しておいたアウターには折りたたみの余裕分が分かる位置に印を付けておき、そこから新しいアウターをそのままのルーティングで合わせて這わせていき、ブレーキのところで余分な長さを切るみたいな横着をしている。

まあほぼ間違いがない方法なんで良いんだけどね。

 

この時に使用したアウターケーブルは2m。ハンドルに這わせた上で余分な分を切っても十分に足りた。

ブレーキのアウターは、リアエンド付近まで伸ばさなければいけないディスクブレーキモデルだと長さがこれだと足りないです。

まあアウターで言えば2m以上のものなんてゴロゴロ売ってるので心配はないですが。

話の流れで何となく想像がつくでしょうが、ハイ。用意していたインナーがリア側で全然足りなかった…。

 1700mm…。多分当時はこれで足りると思って購入していたんでしょうね。

それ以来ブレーキインナーは常に2050mm(以上)のものを買う癖がついています。

グレードやコーティング、素材によっては2000mm以下の長さのラインナップしかない場合もあるので少々注意です。

 

そして、シフトケーブル類の長さ。

こちらもディスクブレーキのキャリパーみたいにエンド付近まで伸ばすことが前提になるので、元々ブレーキインナーより幾分長めのものが売られています。

シマノ シフトインナーケーブル SUS 2100mm×φ1.2mm Y60098911

シマノ シフトインナーケーブル SUS 2100mm×φ1.2mm Y60098911

 

 折りたたみ分の長さの余裕を取っても、ステム付近にシフターがある場合はこのくらいの長さで事足りますが、ブルホーンのバーエンドにシフター付けたい・触覚みたいなのは嫌だからハンドルに沿わせて隠したいみたいになると、ハンドル分の長さを必要とするので当たり前ですが長さが足りなくなります*10

その場合、2300mm以上の長さのものを使うと良いでしょう。 

【余談】 

もっと長さが必要なら2500mmとか

 なんならタンデム車用の3000mmなんてのもあったりします。

店頭ではまず見かけないので通販頼りにはなってしまいますがね。

あと、ブレーキインナー同様に高グレードのコーティングされてるやつなんかは、こんな極端な長さのものはないので 、その辺は妥協が必要になるケースも出てくるかと思います。

自分はそこまで拘ってはいなかったので、単純に長さがクリアできれば良しとしています。

 

そんなこんなで地味すぎる苦労の末に見事ブルホーン化できた訳です。

 

最初は乗った時に「うわなにこれ怖い!立ち漕ぎ?無理無理無理無理!!」みたいになって若干後悔した時期も初期にありましたが、今ではブルホーン以外乗れない体になってしまいました (大袈裟)。現在3台中2台はブルホーン仕様です。

 

この記事が自分でやりたい方の助けになったなら幸いだ。

むしろ自分が欲しかった。 

まとめ

  • ブレーキレバーとシフターは選択肢が少ないので事前によく調べよう

Vブレーキとの組み合わせはそりゃもう難関に近い

ショートVに合わせて変えるとそこそこ幸せ

結果現物合わせてみたら干渉してしまって泣くこともザラにある

  • QRのハンドルポストに直接はブルホーンハンドルは付けられない 

 QRにしろTバーにしろ各種ステムをかませるのはマスト

2ピースの挟み込むステムはクランプ部分の長いハンドルが必要

RIDEAのおすすめ

  • 折りたたみ自転車ではとにかくケーブル類は長さが必要だと思え

ハンドルまで畳めるタイプは絶対に長さが必要になる

最低基準が2000mmだと思え

いざ長さに失敗しても泣かないように予備を1セット用意した上で挑め

悩んだらより長いものを買っておけ切る分にはいくらでも短くできる

*1:DOPPELのは7sのものだが同型だったので

*2:22.2mm系だとパイプ厚さが2mmあると穴部分が18mmになってしまうので無理

*3:キャリパーとVでは引く比率が違う。V>キャリパーなので、Vレバー→キャリパーブレーキは可としても逆は難あり

*4:現在はカタログ落ちしたようで国内では販売してない様子

*5:加工経験済み

*6:ドライバータイプとL字タイプのアレーンキーのどちらがキツく締まったボルトを外しやすいかを考えれば判りやすいでしょう

*7:ステムの構造上、通常のステムの横幅分より外側を掴む事になる

*8:特にゴム板とかこの場合カスにもならなかったので絶対にやめようね

*9:今はフロント変速も付けたけど、当時はフロントシングルなのでシフターは片方のみ

*10:ブルホーン化したのは昨年ですが、フロントダブル化の際にシフターを変えてエンドに持って行ったのでこれで少々難儀した